廃プリとAXのお話。
触れた海月の身体は熱かった。
口付けた首筋も、そっと手を忍ばせた胸元も。
胸の先の突起なんかは、触れてすらいないのにぷっちりと存在を誇示するかのように立ち上がっていて
少し掠めるように撫でるだけで、海月の身体はびくりと跳ねた。
元々感度はいい身体ではあるが、今の海月はいつもよりいくらか敏感になっているようで
腰のラインや腹を撫でるだけでも、小さく声を上げる。
「っ、んっ・・・ぁ」
丁寧に身体のラインをなぞりながら、徐々に衣服を脱がしていく。
アサシンクロスの黒い正装は、纏っている者を戒めているような、そんな作りになっていて
ちょっとばかし脱がせ難いが俺も大分手馴れたものだ。
何処をどう解けば何処の布が解けるのか、考えなくても手が動くようになっていた。
するりと海月の肌を布が滑り落ち、ベッドの下へと消えていく。
普段日に晒す事の無い、海月の絹のような白い肌が露になる。
鍛えていない訳ではないので、筋肉が付いていないとは言わないが何処か猫科を思わせるしなやかさがある。
華奢と言う程ではないが、腰は意外に細かったりする。
そんな腰を抱いてアンダーウェアを脚から引き抜いた。
全裸になった海月に思わず見惚れる。いつもの事。
ここでいつもなら海月は恥ずかしがるのだが。
「ん・・・瑠玖、早くぅ・・・」
「そうやな、ごめん」
言って、俺も法衣を脱いで床へと放る。今は余裕はちょっと無い。
背中へと腕を廻して軽く抱き寄せて身体を密着させた。
本当に熱い。俺の身体もこの熱さが伝染ってしまいそうだ。
否、伝染ってしまえばいい。
ちゅっと音を立てて首筋に口付け、そのまま軽く舌先で肌に触れながら南下。
胸に辿り着く頃には海月の息は上がっていて、俺は頭をがっしりと抱き締められていた。
片手で少し抱き締められる腕を緩めながら、胸の突起に吸い付いてみる。
「あっ、は、・・ぅ」
少し身体が仰け反った。
やっぱり敏感になっている。
その反応が嬉しくて、片手で海月の頭に手を伸ばし髪の中に指先を入れてまさぐりながら
舌先で突起を舐め転がして弄ぶ。
びくん、びくんと跳ねる身体。その度に上がる声。
いつもと違う反応に俺の理性も段々と吹き飛んで行くのが分った。
「海月、脚、開いて?」
「・・・うん」
少し、早急過ぎかもしれないとも思ったが我慢ならなかった。
そんな俺の行動に言動に驚きも恥じらいも見せずに、海月は素直に従う。
そっと俺の目の前で脚を左右に開き、自分で膝裏を持ち支える。
太ももにそっと手をかけ、両脚のその真ん中で天を向いてそそり立っている部分に
ゆっくりと口唇を寄せまずは軽く口付けた。
「あぁっ」
待っていた、とばかりに海月の口から先程とは比べ物にならない位の嬌声が上がる。
そこからはもう止められなかった。
先だけを口の中へ含み丁寧に舐めてやる。
じんわりと滲んでくる先走りの体液。
それも、小さな穴から丁寧に舐め取って飲み下す。
空いていた手で根元を握り、短い距離だが上下に扱いた。
「はっ、あっあっ、っん・・・ぅ、ん」
ぐん、と体積が増した気がした。
こんなに大きくするの初めてだな、なんて微かに思う。
もう自分で支えてはいられなくなってしまったのか、海月の両手がぱたりとシーツへ落ちた。
変わりに両手で太ももを押さえ、ぐっと喉の奥の方まで海月のモノを飲み込んだ。
やはり少し大きいや。ちょっと苦しいかも。
まぁそれだけ感じてくれているのだと思い、そのまま続行。
口唇の端から溢れる液体が俺の唾液なのか、海月の体液なのか分らなくなった。
「んんんっ、る、くぅ・・・も、もぅ、っ」
口の中のモノが張り詰める。
海月の身体が強張る。
俺は口を離し、手で扱くのにチェンジした。
「うん、ええよ。イって」
口の中で受け止めるのも勿論いいのだが。
やはり、イく時の顔が見たい。
恋人だけが見られる唯一の表情だと思うから。
「あああああっで、ちゃうよぉ」
いつもなら目をぎゅっと瞑ってそっぽを向いてしまうのに。
あろう事か涙をいっぱいに溜めた目で俺を真っ直ぐに見て、海月はそう叫んで果てた。
ずきん。
腰が引ける程に股間が疼いた。やばい、凄く可愛い。
早く挿れてもっと啼かせてしまいたい。
慌てて自分の下肢を解放する俺。
ぐっと海月の両脚を抱える。
「・・・ごめん、海月。痛いかも知れんけど」
一応、海月が吐き出した白濁液を後ろに練り込んではみた。
だが、したのはそれだけで。
いつもきちんと痛くないようにと念入りに解してやるんだけれど。
だめだ、今はそんな余裕が無い。
早く中に挿れたくて、早く繋がりたくて仕方が無かった。
ごめん、ともう一度呟いて自分のモノを海月に宛がう。
入り口はヒクヒクと痙攣していて、まるで俺が来るのを待っているかのようだった。
「だいじょ、ぶ。瑠玖・・・いれて?」
上気した赤い顔をして、涙目のまま海月が笑う。
閉じた瞼。睫毛が濡れる。
頭の中では海月の「いれて?」がループする。
「もう、止まらへんぞ」
発した声は興奮のせいか掠れていた。
「うん」
海月の返事を待たず、いつもより硬い入り口を押し破るように俺は一気に中へと侵入した。
思った通り、キツイ、の一言。
潤滑油も何も使っていないから滑りも悪い。
強引に突っ込んだはいいがやはり痛かったんじゃないだろうかとうっすら心配になる。
しかし己の腰は止まってはくれなかった。
「っ、ん・・・、っ」
苦しそうな海月の声が耳に入る。
何かに耐えているような声だ。
だが、やはり腰の動きは止まらない。止まってはくれない。
少しでも紛らわせてやろうと、海月のモノに触れるという事すらも頭に浮かばなかった。
ただただ腰を振り続ける、獣。
「・・・ぁ、ん・・・あ」
しばらく経った後。
慣れて来たのか、海月の苦しそうだった吐息に甘いモノが混ざり始めた。
俺の腹辺りにぬるっとした熱い感触。
感じて来たらしい。
中も少しだけ湿り始めて来た。
海月の腰の横に手を付いてただ腰を振るだけの俺の腕に、そっと手を伸ばしてくる。
「はっ、ぁ、る、く」
名前を呼ばれて少し頭がまともに働いた。
手をもっと前に伸ばし、身体を折り。
海月の背中に手を廻し抱き上げる。
対面座位。
俺はこの体位が一番好きだったりする。
「気持ちええか?」
「はっ、あっう、ん・・・すご、くぅ、んっ」
俺の首に両手を廻し、ぎゅうっと抱き締めながら身体を反らせる海月。
その鎖骨に口付ける俺。
先程までとは打って変わった上下運動にぎしぎしと音を立てるベッドのスプリング。
その音を掻き消す位、海月は啼いた。
いつもなら近所に聞こえてしまうと声を抑えたりするのに。
そんなの気にせず本当に気持ち良さそうに嬌声を上げ続けた。
「ふっあぁっん、お、俺・・・も、だめぇ」
「うん、俺も・・・」
それまでがくんがくんと揺れていた海月を強く抱いて。
最後に一突き二突き。
俺もそれがやっとだった。
「あっあああああっ」
「っ」
海月は俺の腹に、俺は海月の中に。
それぞれ白濁液を吐き出した。
まだ繋がったまま。しっかりと抱き合って、大きく乱れた呼吸を元に戻す。
重なる二人分の激しい呼吸の音。
身体が熱い。どうしようもなく熱い。
急に汗が噴出して来て、肌を伝ってシーツに落ちた。
風呂に入らなきゃダメかなこりゃ。
海月も狩りから帰って来てそのまんまだし。中出しだし。
久し振りに洗ってやるかな。
呼吸が落ち着いた頃を見計らい声をかける。
「海月、風呂にはいぃっ?!」
ぎゅっと来た。
何が来たかと言えば、締まったのだ。
海月の中が。
で、何が締め付けられたのかと言えばまだ繋がったままの。
そう、俺のモノがぎゅぎゅっと締め付けられたのだ。
思わず腰が引ける。
「み、海月?」
俺の肩にこてんと乗せられている顔を覗き込む。
余韻に浸っているというか、ふにゃんとした顔なのだが。
目が合った瞬間、にんまりと笑ったのだ。
一体どうしたと・・・。
「まだだよぅ」
「え?」
「まだ足りないよ?瑠玖」
「は?足りない?」
瞬間どんっと突き飛ばされた。
ぼすっとベッドに背中が打ち付けられる。
良く分からないままスプリングで数回身体は上下に動く。
「ねぇ、早くおっきくしてよぉ」
俺の身体を跨いでいる海月はゆさゆさと腰を振ってみせる。
目の前で起こっている事が信じられなくて瞬きを繰り返すしかなかった。
これはなんだ?どういう事だ?何が起きた?どうなった?
せがんでいるのか?もう一回とせがんでいるのか?もしかして?
海月が?あの海月がか????
「もぉ、全然おっきくならないじゃないー。ヤル気ないのぉ?」
「ちょ、ちょっとま、待て!海月?」
完全に目が据わっている。
なんだこれ、ちょっとヤバいんじゃないのか?
「・・・瑠玖がしてくれないなら、独りでするからいいよ」
!
ぷっと膨れたかと思うと、腰を上げ俺のモノを抜いてしまおうとする。
待て待て待て。それは無い。それだけはさせない。
上がった腰を捕まえてぐっと力任せに引き下ろした。
「あっ」
自覚は無かったが俺の分身は既にその気になってくれていたようで、
引き下ろした拍子に海月の弱い部分を突いたらしい。
こんな海月は見た事無くて正直どうしていいかわからないが・・・。
求められているのには変わりないんだから。
やる事は。そう、ヤル事は一つだ。
「わかった、海月。お前が満足するまで付き合うたるわ」
それが恋人の務め。
寝転がったまま、自分の胸をドンと叩いて見せた。
#4→